【女性ホルモンと身体のリズム①】ホルモンの仕組みとフィードバック機構 〜ピルやジェルで補うとどうなる?〜

【女性ホルモンと身体のリズム①】ピルを使う前に知ってほしい!女性ホルモンの仕組みと鍼灸で整える方法

こんにちは。結乃仁はり灸院の西田です。
このブログでは、女性の体と深く関わる女性ホルモンと鍼灸について、シリーズでわかりやすくお話ししています。
第1回目は、月経痛やPMSでピルを飲んでいる方に知ってほしい「女性ホルモンの仕組みと血流の関係」についてです。

月経痛やPMS(生理前の不調)で悩み、毎月痛み止めを飲んでいる方や、婦人科でピルを処方されている方も多いと思います。
「なぜピルを飲むと痛みが和らぐの?」「続けると自分のホルモンはどうなるの?」
そんな疑問を持つ方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

目次

女性ホルモンとは?脳と卵巣が会話するしくみ

女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、脳(視床下部・下垂体)と卵巣の間でやり取りされながら分泌されています。
脳が「そろそろ準備を始めよう」と指令を出すと、卵巣が反応してホルモンを分泌します。

この流れは「視床下部―下垂体―卵巣系(HPO軸)」と呼ばれます。
まるで脳と卵巣が会話するように働き、女性の体を一定のリズムに保っています。

ホルモンは血流にのって子宮や卵巣に届く

脳でつくられた女性ホルモンは、血液にのって全身をめぐり、子宮や卵巣に届けられます。
つまり、血流がスムーズであることが、ホルモンがきちんと届く条件です。

しかし、冷えやストレスがあると血流は滞りやすくなります。
骨盤内には子宮動脈や卵巣動脈といった細い血管が張り巡らされています。
特に卵巣には無数の毛細血管があり、ホルモンや酸素が運ばれる大切な通路です。

ところが、長時間の座り姿勢や冷えによって、血液の流れが悪くなることがあります。
その結果、
・子宮動脈が細くなり血液が届きにくくなる
・卵巣の毛細血管の働きが弱まり、ホルモンの伝達が鈍る
といったことが起こりやすくなります。

血流の滞りは、ホルモンバランスの乱れにつながる重要な要因です。
だからこそ、「血の巡り」を良くすることがとても大切なのです。

月経痛が起こる理由を知っていますか?

月経のとき、子宮内膜がはがれ落ちる際にプロスタグランジンという物質が分泌されます。
これは子宮を収縮させて経血を外へ押し出す働きを持っています。

ところが、このプロスタグランジンが多く分泌されすぎると、子宮の血流が悪くなります。
そのため、「ズキズキ」「重だるい」という月経痛が起こります。
また、冷えや緊張によって血行が悪いと、痛みがさらに強まることもあります。

ピルで痛みが軽くなる仕組み

低用量ピルは、女性ホルモンを一定に保つことで排卵を抑え、ホルモンの波を安定させます。
結果として子宮内膜が厚くなりすぎず、プロスタグランジンが少なくなり、痛みが軽くなるのです。

一方で、外からホルモンを補うと体は「足りている」と判断します。
そのため、自分でホルモンを作る働きを一時的に休めることがあります。
この仕組みをネガティブフィードバックと呼びます。

鍼灸でホルモンバランスと血流を整える

鍼灸はホルモンを直接分泌させるわけではありません。
しかし、自律神経を整えて血流を改善し、体が本来もつ働きを引き出すことができます。

施術では主に、
足(ふくらはぎや足首まわり)
背中
腰から尾てい骨まわり
などに鍼を行います。
これらの部位は自律神経と深く関わっており、刺激することで骨盤内の血流が改善されます。

血流が良くなると、卵巣や子宮への酸素や栄養が届きやすくなります。
その結果、脳と卵巣のやりとり(HPO軸)がスムーズになり、女性ホルモンが自然なリズムで働くことが期待できます。

まとめ:ホルモンも血も“めぐり”が大切

女性ホルモンは、脳と卵巣のやりとりで分泌され、血流にのって全身へ運ばれています。
ピルやホルモン療法は症状を軽減しますが、血流や自律神経を整える鍼灸ケアを組み合わせると、より自然で安定したリズムを取り戻すことができます。

次回は、現代社会に増えているホルモンを乱す環境要因(ホルモン撹乱物質)について。
シリーズを通して、女性の体とホルモンの関係を一緒に学んでいきましょう。

▶︎ 第2回:現代社会に潜むホルモン撹乱物質とは?

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