【女性ホルモンと身体のリズム②】ホルモン撹乱物質(BPA)の影響と血流・鍼灸で整えるケア

こんにちは。結乃仁はり灸院の西田です。
前回の第1回では、女性ホルモンの仕組みや、ピルで痛みが軽くなる理由、そして血流とホルモンの関係についてお話ししました。
今回は、現代社会で問題になっている「ホルモン撹乱物質(環境ホルモン)」についてお話します。

「女性ホルモンのバランスが崩れやすい」「PMSや更年期症状が強くなった気がする」
そんな背景には、知らず知らずのうちに体に取り込んでしまっている環境要因が関係していることがあります。

目次

ホルモン撹乱物質とは?

ホルモン撹乱物質とは、体の中でホルモンのようにふるまったり、ホルモンの働きを妨げたりする化学物質のことです。
別名「環境ホルモン」とも呼ばれています。

私たちの体では、脳や卵巣で作られたホルモンが血流にのって全身をめぐり、必要な場所で働いています。
しかし、ホルモン撹乱物質が体内に入ると、ホルモン受容体に誤って結合し、正常なメッセージの伝達を妨げてしまうことがあります。

BPA(ビスフェノールA)ってなに?

BPA(ビスフェノールA)は、プラスチックを硬くするために使われる化学物質で、代表的なホルモン撹乱物質のひとつです。
女性ホルモンの「エストロゲン」に似た構造を持ち、体のホルモン受容体に結びついてホルモンバランスを乱す作用があるとされています。

どこに使われている?

  • ペットボトルや食品保存容器
  • 缶詰や飲料缶の内側コーティング
  • レシート(感熱紙)
  • 古い哺乳瓶やプラスチック食器

特に、プラスチック容器を電子レンジで温めたり、熱い食品を入れたりすると、BPAが溶け出しやすくなります。

体への影響

BPAは体内で女性ホルモンのようにふるまうため、次のような影響が指摘されています。

  • PMS(月経前症候群)の悪化
  • 月経不順や排卵リズムの乱れ
  • 卵巣機能や精子形成への影響
  • 乳がんなどホルモン依存性疾患との関連(研究段階)

また、血管の収縮を促す作用もあるとされ、冷え・肩こり・むくみなどの症状に関係している可能性もあります。

日常でできるBPA対策

  • 電子レンジではガラスや陶器の容器を使用する
  • ペットボトルより水筒やステンレスボトルを選ぶ
  • レシートを素手で長時間触らない
  • BPAフリー(BPA-free)製品を選ぶ

女性ホルモンと血流への影響

ホルモン撹乱物質は、女性ホルモンの「指令系統(視床下部―下垂体―卵巣)」の働きを乱すことがあります。
その結果、エストロゲンやプロゲステロンの分泌がアンバランスになり、PMSや月経痛、更年期の不調につながることがあります。

さらに、血流が悪くなることでホルモンの伝達も滞りやすくなります。
血液はホルモンを運ぶ大切な道です。血の巡りが悪くなると、ホルモンが届きにくくなり、体のリズムが乱れやすくなるのです。

鍼灸で整えるホルモンバランス

鍼灸では、外から化学物質を排出するわけではありませんが、自律神経や血流を整えることで、体が本来もつ解毒・代謝の力を引き出すサポートをします。

足や背中、腰の鍼によって自律神経が整うと、血流が良くなり、体の中での循環がスムーズになります。
それにより、ホルモンのバランスや内臓の働きも自然に整いやすくなります。

まとめ:環境と体のめぐりを整える

私たちは毎日、少しずつ環境の影響を受けながら生きています。
ホルモン撹乱物質を完全に避けることは難しいですが、血流や自律神経を整えるケアを続けることで、体のリズムを守ることはできます。

鍼灸や温め習慣、食の見直しは、その「自然なめぐり」を取り戻す力をサポートしてくれます。
女性ホルモンを味方につけて、穏やかに過ごせる毎日を育てていきましょう。

◀︎ 第1回:ピルを使う前に知ってほしい!女性ホルモンの仕組みと鍼灸で整える方法

▶︎ 第3回:ストレスや冷えと女性ホルモンの関係

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