こんにちは。結乃仁はり灸院の西田です。
シリーズでお届けしている「女性ホルモンと身体のリズム」。
第3回は、ストレスよりも深刻な“刺激不足”とドーパミンのお話です。
「なんとなくだるい」「気分が上がらない」「冷えが取れない」。
そんな方が増えています。
実は今、多くの人が交感神経過剰ではなく、副交感神経優位すぎる状態の方が多くなっています。
快適すぎる現代と“低覚醒”の体
現代の生活はとても快適です。
エアコンで温度は一定、移動は車、食事もすぐ手に入ります。
体はいつも「安心モード」のままです。
しかし、その安心が続くと、脳のやる気ホルモン=ドーパミンが出にくくなります。
つまり、常に“省エネモード”のような状態です。
ドーパミンが不足すると、
「動きたい」「やってみよう」という意欲がわきません。
結果として、筋肉も血流も低下し、女性ホルモンのめぐりも悪くなります。
ドーパミンと女性ホルモンのつながり
ドーパミンは、脳の視床下部にも作用しています。
視床下部は女性ホルモンの司令塔。
ここが刺激を受けないと、エストロゲンやプロゲステロンの分泌リズムも乱れやすくなります。
つまり、「刺激が少ない=ホルモンが動きにくい」。
運動不足や日光不足が続くと、脳も体も“静かすぎる”状態になるのです。
質の良いドーパミンを出すには?
ドーパミンを上手に出すには、無理な努力より小さな達成がポイントです。
日常にできることを少しずつ取り入れてみましょう。
- 朝の散歩で太陽を浴びる:セロトニン→ドーパミンの流れが生まれます
- 軽い筋トレ・スクワット:筋肉が脳を刺激してやる気が出ます
- 「できた!」を毎日感じる:脳の報酬系が活性化します
- 好きな音楽・自然に触れる:快の刺激で血流もアップします
これらはすべて、ホルモン軸を支える「質の良いドーパミン習慣」。
体が動くと心も動き、心が動くとホルモンも動きます。
鍼灸で整える“神経の受け皿”
鍼灸は、神経伝達物質のバランスを整える作用があります。
研究では、鍼刺激が中脳辺縁系(報酬系)に働きかけ、
ドーパミンやセロトニンの調整に関与することが分かっています。
つまり、鍼灸は「ドーパミンを出す準備」を整えるケア。
背中や腰、足のツボを刺激して自律神経を整えることで、
脳と体が「動ける状態」に戻っていきます。
鍼灸で“受け皿”を整え、生活の中で“刺激”を与える。
この組み合わせが、現代人のホルモン不調にぴったりのバランスです。
まとめ:動くことで、ホルモンは目を覚ます
女性ホルモンは、血流・神経・心のすべてで支えられています。
快適すぎる日常では、体のセンサーが鈍くなりがちです。
しかし、少し体を動かし、五感を使い、心を刺激することで、
ドーパミンが分泌され、ホルモン軸も自然に目を覚まします。
鍼灸で体の巡りを整え、
散歩や運動で脳に風を通す。
それが、女性ホルモンを活かすいちばん自然な方法です🌿


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